« 結婚式 | トップページ | じいちゃん入院中 »

じいちゃん入院する

股関節手術の検査のため、事前入院することになった。
ひとりで行きたがるじいちゃんも今度ばかりは、観念して、私が病院にお送り申しあげた。九大は、なれているので、古い建物の受付に車を回そうとすると、反対の右側に行ってくれという。そこは、タクシー乗り場で、その上に受付があるという。車は、駐車場まで持っていくので、降りたところで、荷物と一緒に待ってくださいと言ったが、やはり、手荷物だけ抱えて、先に受付に行くという。と、思う間もなく、あれよあれよというまに、建物の中に入っていく。(待たんやっちゃ・・)車を駐車場に持っていき、二階の受付は、どこやろか?と迷いながらもなんとかなるさー、で、どんどん歩いていくと、左手に入院受付の表示板がぶらさがってた。中をみると、あれは、革靴と背広に身を包んだじいちゃんの背中だ。
受付の「今回は、これでよろしいけど・・なんとかかんとか・・」と、何かもめてる様子。保証人は、本人が所得があれば(年金があるとか)ひとりでいいけど、そうでない場合は、もうひとりいるとか・・。が、ここでも、身寄りがないことを強調したいじいちゃんは、あくまで、身内はおらんと強気の発言。(知らん顔のハンベエは、慣れた♪)で、仕方なく、受付も納得した模様だ。

書類一式をいれたファイルをもって、10階のナースステーションに向かう。
当たり前だが、男4人部屋だ。暗い入り口側に落ち着く。
担当看護士さんは、若くてきれいでかわいくて、このままテレビで歌いそうな雰囲気だ。じいちゃんには何よりで。
一応、一週間で退院というふうに聞いていたので、どれぐらい入院になるのか、お尋ねする。すると、思ってもみなかった答えが!
貯血のための入院になりますので、きょうと、来週の二回血をとります。その間に検査をします。
え!貯血?
手術の時、輸血に備えるためです。
あー、そういう意味でしたのね。
早かったら、来週のきょう、退院の運びになります。
あとで、担当から詳しい説明がありますので、お待ちください。
お昼は、でませんので、この時間に食事はされてください。
食べんでいいよ・・。はらすいとらん。と、じいちゃん。
(私は食べたいよ)
というわけで、テレビカード買いと、連絡用の公衆電話の場所を探すためにじいちゃんとつれだって、エレベーターの場所まで、行くことにした。
長い廊下を歩き、見晴らしのいい休憩室?食堂?に行き、お茶とお湯がでることを確認する。ペットボトル3本もってきてるのが無駄になったとひとりごちるじいちゃん。そこの向かい側がエレペーターホール。ここからあがってきたねと話しかけると、各階の説明のついた掲示板に見入るじいちゃん。心電図の検査は、2階やったねと、いきなり、ついていた杖を上にふりあげ、2階と書いてある場所をとんとんとたたく。(強くたたかんでね。それ、地面をさしてた杖なんだから)
わかったわかったと、早くその杖さし運動がおさまるべく話を変えようとするが、ここが外科のなんとかで、次々指し示すじいちゃん。
あっ、あの、テレビカードがこっちにあるみたいよ♪と、窓際に誘導する・・・。
そっか・・。
(やれやれ、こっちにきそうだ)
ここに1000円いれると・・。
いやこっちこっち・・・・。
そうそう。
で、となりに公衆電話があるからね。うちの電話知っとうね?
知っとう!(ほんとか?)
ほら、あっちのへや、何やろね?
ドアがついた個室が磨りガラスの向こうに見える。
ほぉー、椅子のある公衆電話や。公衆電話の位置が低いから、これ、いいかもね。

フロア探検を終わり、部屋に戻ったら、早速、寝間着に着替え。
上を脱いだら、ここのハンガーにかけとくから。
汗かいとうから、ランニング脱いだら・・。
・・・。
いや、別にそのままでいいけどねー。
じゃしばらく、寝間着の上は、着らんかったらいいから・・。
ズボンもハンガーにかけとくから。ありゃ、すててこ、はいとったん?
そりゃ、あついわ。それも脱いでよね。
うん、そうそう。靴もしまって、靴下も脱いでと。
このベッドの布団は、うすかね・・。
毛布一枚みたいねー。
暖房が効いてるみたいだから、いいっちゃない?
さっき、買ったテレビカードの使い方を教えておこうと思った。
イヤホンもってきた?とたずねるとそのボストンバックに入ってると言うので、開けてみた。
ええっと、このビニール袋に包まれるものは、なんね?
しびんたい!
は?
夜中、まにあわんやろうが・・。
そ、そうやろうけど・・。(ここ、病院だから、各種とりそろえてると思うし)
な、なおしとこうね・・・。
あ、そこにあるのがイヤホンやね。
テレビにさしてと、このリモコンの電源をおしたら、つくよ・・。
(必死におすじいちゃん、反応しないテレビ)
あれー、変ねー。電池なくなったんかいな。
じいちゃん、業を煮やして、再び、持っていた杖でベッドの上からテレビの突起をおしまくる。だが、悲しいかな、テレビの回転台のせいで、くるくる踊るテレビ。
プッ♪手でしないとおせんと思うよ・・・。
(杖は、手の一部だったんだ)
リモコンを光ってるとこにくっつけるようにして、電源をおすと、ついた♪
んもう、だから、文明の利器は、すかん。

しばらくして、薬剤師さんがこられた。
今飲んでる薬をだしてください。
睡眠薬を飲んでますか?
これ、飲むとコトーと、眠れるとたい。
夜、トイレにも行きたくなって、まにあわんから・・。
(いやあの、睡眠薬飲んでますかと、聞いてあるんだけど)
微妙に食い違う会話を上手に補いながら、薬剤師さんとの質疑応答は続く。
で、痛みますか?
痛くないよ。
えっと、これとこれは、痛み止めですね。これを、飲んでますか?
はい、ちゃんと飲んでます。
そしたら、痛くないですね。
(は?自力で股関節、痛くなかったんではなかったんか???)
あと、民間薬、何か飲んでますか。
膝の痛みをとるという・・なんやったか・・。
コウジュンですか?
あ、そんな・・。
それ飲んどった。今は、飲んでない。
そしたら、ほかに何か目薬とか、常備されてるものありますか。
はい、これこれ(ビニール袋をとりだす)
目薬に、かゆみ止め。サロンパス。。この錠剤は?コウジュン。。。
あ、今は飲んどらんです。。。。
いやはや、私の知らん話がてんこもりでした・・・。

じゃ、また、退院の日が決まったら、迎えにくるからね。
その前にまた、きてみるからね。と、私。
車いすで看護婦さんに下まで送ってもらって、そこから、タクシーに乗れるから、来んでいいよ。と、じいちゃん。
(またか・・・)荷物もあるし、だいじょうぶよ、送るから・・。
したからタクシーまで、重たいボストンバック持って、杖ついて・・大変じゃないの?
ん・・・。そう・・か。
(謙遜は真に受けてはいけない・・きょうの教訓)

やっと、話がすみ、きょうの検査。例の二階での心電図。呼吸器検査。
かわいくて、きれいで、若い看護士さんがきて、車いすでいきましょうか、に、ふたつ返事のじいちゃんに、心置きなく帰らさせていただくことにする。

|

« 結婚式 | トップページ | じいちゃん入院中 »

じいちゃん」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: じいちゃん入院する:

« 結婚式 | トップページ | じいちゃん入院中 »