忘年会
今年の初め、ひょんなことから、選挙事務所の事務のお手伝いをすることになった。
その時の地元の人々が集まって、このたび、みんなで忘年会をすることになった。
当時、おらが町の地元の得も言われぬ連帯感に、かなり驚いた。
立候補する人の同期の会は、もちろん、子供の時からの信頼しあった人たち。
この推薦する人を心から尊敬している。
今いわれるお金のためだとか、そういう気持ちがみじんもない人たちであった。
どんなに間違いのない人物であるかを命を賭して、語る彼らに今時、こんなに熱くなれるこの集まりは何だろうと不思議だった。
そんなこんなで、選挙が終わり、お疲れさん会、懇親会が実現した。
このたびの縁で知りあった人たちが切れない糸をつむぐ会というか、お世話してくださる幹事さんがいて、忘年会にこぎつけた。
ほんとは、ドレスアップしていかないといけないかもしれないけど、その日は、朝は、体操の練習、しかも、次の日曜に舞台がありの延長練習でへろへろ。
帰宅してから、早めにご飯のしたくをしてたら、めんどくさくなって、朝着てたTシャツの上にちょいとましなカーディガンを羽織って、待ち合わせの場所にでかけた。実は、目的地を知らなかった。待ち合わせにマイクロバスがあり、その横に書いてある民宿なんたらを見て、あそこやったんかと初めてなっとく。
さすが、ご年配の方々。早く来たのに、既に5.6人は、後ろの席を占拠なさってある。お顔を見てると、たしかに老人会の忘年会だよなー。平均年齢、70に手が届くか、追い越してるか、いや、たぶん、上回ってるだろう。
10か月ぶりに見る皆様は、たしかに、それ相応の風情がある。
女性が圧倒的に少なくて、なんだかもてもてではあるが、自分が女性であることを今いち忘れそうになる。
バスが出発して、真ん中あたりのご仁は、いきなりたちあがって、後ろを向く。ぎょっとする後ろの人間に、話しだすので、何事かと思ったら、腰が痛いんで、同じ姿勢が悪いのでという説明を立ったまま、される。なるほどねー。
到着して初めて気づいたのですが、婦人会代表を務めていらした女性は、なんと、大島紬の和服。御年、ななじゅううん歳♪それにマイ椅子持ち込み。膝が悪いんだそうだ。なんでも、高さ30センチのそのいすは、座ったまま、回転して、両手で、持つところがついている優れもの。お気に入りらしい。これにも、なるほど。その年齢ならではの一品だと感心した。私もばあちゃんじいちゃんに贈ろうかと、本気で思った。
ここは、民宿で見かけは、ざーとした感じですが、(古くてぼろぼろ)驚くなかれ、この値段で、この料理、うますぎる。
さざえの活き造りのてんこもりさざえに目がくらみ、おさしみ、たぶん、ひらめみたいな白身の透明な身に再び、よだれがでる。
酢の物や天ぷら、おさかなの梅あえや、おさかなのなんとかとか、とにかく、なんでも、新鮮で味付けもグー。何品あったかわからないほど、料理がでてきたのに、全部たいらげた。最後のみそ汁(ふぐが入ってると思う)とつけものと、そして、ごはんがやたらおいしくて、こんなに胃がせりあがってくるほど、食べたことはない。
こういう宴会にはつきものの、お銚子もってのさかずきさしあい大会。
超苦手なんだけどね。ほんとは。
気がついたら、お銚子もって、散々、飲みまくってた。おそろしい。
日本酒は、酔うのでいやなんだけどと思ってたのに、どっかにふっとんだらしい。
皆さん、年期が入ってる方ばかりですので、話がめちゃくちゃ面白い。生きてる歴史のよう。戦時中のことなど、へぇーがひっくりかえりそうな話やら、ちょこっと、話の接ぎ穂をカキカキしてあげると、面白いようにぼろぼろでてくる。
ある人は、あの昔のみみずののたくったような古文字をすらすらお読みになるので、びっくりしてたら、全然畑違いの警察庁の重鎮?たぶん・・化血研に長年お勤めだったらしい。このあたりも話をほじほじしたかったけど、力量不足で聞けず。
ある人は、最近雨が降らなくて、といったら、作物にはよくないよと言われて、あ、その方は、みかん農家だったと気づかされた。り。
とにかく、ひとりひとり、それぞれにたくさん生きてる人は、存在だけで十分に面白い。
人それぞれのそれぞれの人生を背負った面立ちは、すばらしい。
だけれども、何も特別なことをしてないこの幹事さんは、このつながりを大事にしたいという一念で、肩書きも経歴もない一介なのに、ひたすらでかい声で皆を圧倒し、横のつながりを編み出してくれる。立派である。拍手を送りたい。
いくら、人より秀でた脳をもっている人が100人いても、1000人いても、1万人、1億人いても、いるだけでは、何もおこらない。このようにつむいでくれる人がいなげれば、くその役にもたたん。
いよいよ、お開きになり、また、マイクロバスに乗り込む。
乗り込んだところで降りて、無事に帰り着く予定。
そ・それが・・・・。
同じ町内の人がおりてこない。どうしたんですか?
これにこのまま乗ってたら、送ってくれるって・・。
あら、じゃ、と、また、乗り込む。
良かった。
と、、着きました、残りのみんながおろされた場所は、とあるスナックの前。
あれー、家に近づいてないんだけど。
なんと、知らんうちに二次会に連れてこられてたらしい。
こっから、ひとりで帰るのも、微妙だし。
入ってという声につられて、ドアをくぐった。
6帖に毛が生えたくらいのスペースのその場所は、カウンターに椅子が6脚くらいと、テーブルがひとつ。
すでにカウンターには何人かいらっしゃる。
テーブルに野郎共というか、じいちゃんたちがどやとやと座り込む。
かなり窮屈い。
三人がけのソファーに五人くらい座るってどうよ。
それも、私は、真ん中にサンドイッチ。重なり合って、座ってるというても
過言ではない。膝と膝をあわせて、幸せにもなんにもなりゃせんのだけど、ま、しようがない。一応、紳士のようなじいちゃんたちですから、あたってるのは、膝くらいで・・というか・・酔ってたせいか・・気にならんかったが正直なとこ・・今思えば、しきらんわ・とか。。。
もう、飲めんといいながら、ウーロン茶をいただいたつもりが、これ、うまいよと、横からブランデーをいれてくれる。はい、たしかにうまいが、うまいけど、アルコールがきつすぎんかい・・な。そこからも、みんなのボルテージはあがったのかさがったのか、よくわからなかったが、べちゃくちゃしゃべったようだ。一番年長のじいちゃんからかわいいーといわれるが、はっ!じいちゃんからかわいーといわれてもねーと、返せんとこが哀しい、性分。あんたもかわゆいよーと聞こえんようにつぶやいてみた。
ようやく解放されて、タクシーに乗り込むと、調子こいたご仁は、ホテルまでと運転手さんに。ぷっと吹き出される。そりゃそうでしょな。タクシーのりこんで、反対側のドアからでたほうが早いわ。ホテルまでは。
やれやれ。
帰宅して、ひぇー。声が枯れてる。
カラオケなんて、一度もしてないのに・・・。
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