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2007年11月

忘年会


今年の初め、ひょんなことから、選挙事務所の事務のお手伝いをすることになった。
その時の地元の人々が集まって、このたび、みんなで忘年会をすることになった。
当時、おらが町の地元の得も言われぬ連帯感に、かなり驚いた。
立候補する人の同期の会は、もちろん、子供の時からの信頼しあった人たち。
この推薦する人を心から尊敬している。
今いわれるお金のためだとか、そういう気持ちがみじんもない人たちであった。
どんなに間違いのない人物であるかを命を賭して、語る彼らに今時、こんなに熱くなれるこの集まりは何だろうと不思議だった。
そんなこんなで、選挙が終わり、お疲れさん会、懇親会が実現した。
このたびの縁で知りあった人たちが切れない糸をつむぐ会というか、お世話してくださる幹事さんがいて、忘年会にこぎつけた。

ほんとは、ドレスアップしていかないといけないかもしれないけど、その日は、朝は、体操の練習、しかも、次の日曜に舞台がありの延長練習でへろへろ。
帰宅してから、早めにご飯のしたくをしてたら、めんどくさくなって、朝着てたTシャツの上にちょいとましなカーディガンを羽織って、待ち合わせの場所にでかけた。実は、目的地を知らなかった。待ち合わせにマイクロバスがあり、その横に書いてある民宿なんたらを見て、あそこやったんかと初めてなっとく。
さすが、ご年配の方々。早く来たのに、既に5.6人は、後ろの席を占拠なさってある。お顔を見てると、たしかに老人会の忘年会だよなー。平均年齢、70に手が届くか、追い越してるか、いや、たぶん、上回ってるだろう。
10か月ぶりに見る皆様は、たしかに、それ相応の風情がある。
女性が圧倒的に少なくて、なんだかもてもてではあるが、自分が女性であることを今いち忘れそうになる。
バスが出発して、真ん中あたりのご仁は、いきなりたちあがって、後ろを向く。ぎょっとする後ろの人間に、話しだすので、何事かと思ったら、腰が痛いんで、同じ姿勢が悪いのでという説明を立ったまま、される。なるほどねー。

到着して初めて気づいたのですが、婦人会代表を務めていらした女性は、なんと、大島紬の和服。御年、ななじゅううん歳♪それにマイ椅子持ち込み。膝が悪いんだそうだ。なんでも、高さ30センチのそのいすは、座ったまま、回転して、両手で、持つところがついている優れもの。お気に入りらしい。これにも、なるほど。その年齢ならではの一品だと感心した。私もばあちゃんじいちゃんに贈ろうかと、本気で思った。

ここは、民宿で見かけは、ざーとした感じですが、(古くてぼろぼろ)驚くなかれ、この値段で、この料理、うますぎる。
さざえの活き造りのてんこもりさざえに目がくらみ、おさしみ、たぶん、ひらめみたいな白身の透明な身に再び、よだれがでる。
酢の物や天ぷら、おさかなの梅あえや、おさかなのなんとかとか、とにかく、なんでも、新鮮で味付けもグー。何品あったかわからないほど、料理がでてきたのに、全部たいらげた。最後のみそ汁(ふぐが入ってると思う)とつけものと、そして、ごはんがやたらおいしくて、こんなに胃がせりあがってくるほど、食べたことはない。

こういう宴会にはつきものの、お銚子もってのさかずきさしあい大会。
超苦手なんだけどね。ほんとは。
気がついたら、お銚子もって、散々、飲みまくってた。おそろしい。
日本酒は、酔うのでいやなんだけどと思ってたのに、どっかにふっとんだらしい。
皆さん、年期が入ってる方ばかりですので、話がめちゃくちゃ面白い。生きてる歴史のよう。戦時中のことなど、へぇーがひっくりかえりそうな話やら、ちょこっと、話の接ぎ穂をカキカキしてあげると、面白いようにぼろぼろでてくる。
ある人は、あの昔のみみずののたくったような古文字をすらすらお読みになるので、びっくりしてたら、全然畑違いの警察庁の重鎮?たぶん・・化血研に長年お勤めだったらしい。このあたりも話をほじほじしたかったけど、力量不足で聞けず。
ある人は、最近雨が降らなくて、といったら、作物にはよくないよと言われて、あ、その方は、みかん農家だったと気づかされた。り。
とにかく、ひとりひとり、それぞれにたくさん生きてる人は、存在だけで十分に面白い。

人それぞれのそれぞれの人生を背負った面立ちは、すばらしい。
だけれども、何も特別なことをしてないこの幹事さんは、このつながりを大事にしたいという一念で、肩書きも経歴もない一介なのに、ひたすらでかい声で皆を圧倒し、横のつながりを編み出してくれる。立派である。拍手を送りたい。
いくら、人より秀でた脳をもっている人が100人いても、1000人いても、1万人、1億人いても、いるだけでは、何もおこらない。このようにつむいでくれる人がいなげれば、くその役にもたたん。

いよいよ、お開きになり、また、マイクロバスに乗り込む。
乗り込んだところで降りて、無事に帰り着く予定。
そ・それが・・・・。
同じ町内の人がおりてこない。どうしたんですか?
これにこのまま乗ってたら、送ってくれるって・・。
あら、じゃ、と、また、乗り込む。
良かった。

と、、着きました、残りのみんながおろされた場所は、とあるスナックの前。
あれー、家に近づいてないんだけど。
なんと、知らんうちに二次会に連れてこられてたらしい。
こっから、ひとりで帰るのも、微妙だし。
入ってという声につられて、ドアをくぐった。
6帖に毛が生えたくらいのスペースのその場所は、カウンターに椅子が6脚くらいと、テーブルがひとつ。
すでにカウンターには何人かいらっしゃる。
テーブルに野郎共というか、じいちゃんたちがどやとやと座り込む。
かなり窮屈い。
三人がけのソファーに五人くらい座るってどうよ。
それも、私は、真ん中にサンドイッチ。重なり合って、座ってるというても
過言ではない。膝と膝をあわせて、幸せにもなんにもなりゃせんのだけど、ま、しようがない。一応、紳士のようなじいちゃんたちですから、あたってるのは、膝くらいで・・というか・・酔ってたせいか・・気にならんかったが正直なとこ・・今思えば、しきらんわ・とか。。。
もう、飲めんといいながら、ウーロン茶をいただいたつもりが、これ、うまいよと、横からブランデーをいれてくれる。はい、たしかにうまいが、うまいけど、アルコールがきつすぎんかい・・な。そこからも、みんなのボルテージはあがったのかさがったのか、よくわからなかったが、べちゃくちゃしゃべったようだ。一番年長のじいちゃんからかわいいーといわれるが、はっ!じいちゃんからかわいーといわれてもねーと、返せんとこが哀しい、性分。あんたもかわゆいよーと聞こえんようにつぶやいてみた。
ようやく解放されて、タクシーに乗り込むと、調子こいたご仁は、ホテルまでと運転手さんに。ぷっと吹き出される。そりゃそうでしょな。タクシーのりこんで、反対側のドアからでたほうが早いわ。ホテルまでは。

やれやれ。
帰宅して、ひぇー。声が枯れてる。
カラオケなんて、一度もしてないのに・・・。

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ボランティアの日


10年ほど前から、託児ボランティアをしている。
若いお母様方の講習会の時、お子様を集団で預かるというものだ。

お母さんは、料理をしたり、子育てに有意義なお話を聞いたり、お母さん方との交流を深めたりされる。

子供は、おすわりがやっとの赤ちゃんから、走り回れる3歳児くらいまで。
泣いてわめいて、ぐずる、たいへんちゃんもいれば、ママから離れた瞬間から、おもちゃに目が行き、ママのお迎えにも帰りたくないという子供まで様々。
この頃のおこちゃまは、人間の煩悩のままに生きている。
気に入らなければ、泣けばいい。かまって欲しければ、泣けばいい。
不安になれば泣けばいい。かなり、わかりやすい。
泣いてあやされ、眠くなり、ほんに子供はかわいいものだ。
そのたかだか、生まれて数年しかたっていないのに、はや、個性豊かだ。
連れてこられて、不安げにその場所につったったまま、かたまってる子。この子には話しかけては、いけない。その子がその場を観察するには最低30分、どうかしたら、1時間は要する。彼には彼時間が存在するのだ。少し動いてもいいという安心が生まれそうな手の動き、足の踏み出しがあったら、すかさずその子の好きなおもちゃを足元におこう。手をのばして、興味をもったら成功だ。

ママーママーと、泣いてるおこちゃまはだっこしよう。だっこが一番だ。涙と鼻水とよだれで、胸元が濡れるが気にしてはいけない。気にするひまがあったら、泣いてる子供の興味をひきそうなものを見せよう。音楽は有効だ。耳になじみのある曲だと、なおよい。音楽は一瞬おこちゃまを泣いてる世界から連れ戻すことができる。

おしゃべりができるおこちゃまからは、たくさんお話を聞こう。
最近の若いパパママは案外おこちゃまをかわいがっている。テレビで耳学問が発達しているおこちゃまは、すごいことを意味わからずに平気で使ってる。

おやつはその家の内情を表している。
おこちゃまの手でつまめるおにぎりを用意しているママ。
市販の大人用ポテトチップをそのままいれてるママ。
バナナが一本はいってる豪快ママ。
この季節ならさつまいもだろうと、蒸かし芋だけいれてるママ。
いくらおこちゃまが好きだといっても、ガム?・・をいれてるママ。

今は、アトピーのおこちゃまがたくさんいるので、よそのおこちゃまのおやつをとりあげるおこちゃまには要注意。気を使う。

ともあれ、おこちゃまは、どんなおこちゃまでもかわいいものだ。
それに、この子どうなんだろうと言うおこちゃまでも、年月がたてば、ちゃんとお育ちになっている。

三日やったらヤメられないというものがあるが、こどもの世界は、純粋人間の原始を見てるようで病みつきになる。
ボランティア冥利なのは、はいはいしてたおこちゃまが立って歩くのをまのあたりにすること。寝返りも歩くのもいやそうな横綱級ぽっちゃりちゃんでも、その時がくれば、顔立ちもおなかもほっそりさんになってるのをまのあたりにすること。

それにしても、顔のしわの数は違えども、おこちゃまと、じいちゃんの精神構造が似てると感じるのは、私だけだろうか・・・・。

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じいちゃんリハビリ中

一週間たち、どんな具合か見に行った。
きょうは、ばあちゃん、うちの母も一緒に連れて行った。

うちの母とじいちゃんちは、同じ町内にある。
歩いて、15分。車で5分。何かと便利だ。

まず、母のとこに寄って、ご機嫌伺いをする。
テーブルの上にお見舞いの封筒がのっていた。
誰か具合悪いと?
誰かって・・・。じいちゃん・・。
あ!そんな気をつかわなくても・・。
いや、そういうわけには・・。
全く、年の功は、何かと、気を使うもので。

というわけで、何が何でも、一度はお見舞いに参上しなくてはという決意が顔中みなぎってる母を行かなくていいよと言うのは、ものすごく難しく、渋々、連れて行くことになった。

じいちゃんは、相変わらず、顔色がよい。
リハビリの進行を聞くと、二日ほどしたみたいだ。
両手のとこに手すりがあっての歩行と、寝たまま体操をする足の筋肉強化をしているらしい。
なんでも、じいちゃん、リハビリ室には、車いすでひとりで行ってるらしい。でも、看護士さんが車いすを押して連れていっていただけないことが、ちょっと不満そう。
でもまあ、ひとりで車いすを操れるようになったというだけでも、リッバなもんだ。

人口関節は、ぎしぎし音がするらしい・・・。
と、感心してたら、すかさず、おとなりの若い兄ちゃんが。
おじちゃん。その音がするのは、いけない動きをするからですよ。
たてに動かすのはいいけど、横に動かすのは、関節がはずれるからいけないと言われてたでしょう・・。
じいちゃんいうところの、動かしとらんけど、音がしてた。
???
内股と、ものを拾うのは、やめておいてくださいね。
わかっとる。
足踏み出すとき、どうしても、手術した足からふみだすから。
癖やろね。
???
意味不明だけど、自分の体だから、どうにかうまくまわってるだろうと、無理矢理なっとくする。

母に話しかけてた。
じいちゃん曰く
病院からもらう睡眠薬を瓶一杯ためてるからと。
年とって、楽しいことはないし、そんなに長生きしなくてもいいし、いざという時は、
睡眠薬があるからと、母に訴える。
それを受けて、母は。
睡眠薬飲んでも、死にきれんやったらどうするんですか。
死ぬとは限らんでしょうが。
苦しんで、きつい思いをして、迷惑をかけて・・。
やめとった方がいいですよ。
けだし名言!

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じいちゃん手術後

三日たって、病室をのぞいてみた。
顔の色つやもよく、驚くことに、もう、二本足で立っている。

手術して、一週間は、ベッドの上で上半身を少しづつ起こしていくのが基本。
歩くのも立つのも絶対禁止と聞いていた。
が、すでに、手術の次の日には、車いすを使ったらしい。
そして、案の定、トイレまで、歩いていき、おこられたらしい。
まだ、骨に肉がくっついてないのに、ここで、人工関節はずれてしまったらどうするの!と、看護士さんにいわれたらしい。
手術したことをやっぱり、忘れていたんかいな・・・。
しかし、傷のなおりもかなり早く、あと、三日はかかるといわれてたドレーンがすでにとれてたらしい。
そろそろリハビリをはじめてもいいといわれているらしいのだが。
ということは、退院の予定は、12月5日であったけれど、今月中になるかもしれない。
またまた、自己申告で言い張るじいちゃんの言動が心配で、病室に来られた看護士さんに尋ねてみると、可能性はあると言われた。
年のわりに早い回復を喜ぶじいちゃんは、同室の患者さんに盛んに自慢している。
どうも、じいちゃん、ここにいるのが楽しいらしい・・というか、ものすごく嬉々としている。
ちょうど、その日は、先月分の入院費の支払いだった。
御用達の私が下の階まで支払いに行った。
まだ、手術をする前の検査三昧の月でしたので、8000円弱。
期間は、一週間。割り算すると一日、1200円少々。
おおっ!
じいちゃんは、ずっと、おってもいいかもね、と、感嘆する。
私もずっとおってもいいかもね、同意する。
頑張って、リハビリ、しつこくしようよねと、言外の意味を込めて話したが。。。

四方山話をしていて、手術の話になった。
な・なんと、じいちゃんは、あの手術後、手術室から、ベッドにのせられて病室に帰ってきてから、翌日までの、記憶がないと言う。
ご丁寧にどうやって、病室に戻って来たかを尋ねるじいちゃん。
まるっきり、記憶がない。って。。。
手術室にはいって、脊髄の麻酔を打たれて、下半身は、痛みがなくても、カンカンと骨を打ち付ける音は、覚えてたらしい。
麻酔の女の先生が耳元でいたくないですかといいながら、自分の頭を両手で抱いていたのを最後に、記憶が途切れてるんだとか。。。

え、え、え!あの手術室から出た直後しゃべってたアレやコレは・・・?
病室に戻って盛んに手術の様子を話してたアレやコレは・・・?
あの病室での点滴はずれの騒ぎやら、亀の子のように首をのばしてたアレは?
一体・・?
じいちゃん、幽体離脱でもしとったんかいな?

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手術


朝から、目覚ましの不備があって、大忙し。5時半に起きるつもりがとっくに6時を超えていた。お弁当を作って、朝飯を食べて、身支度をして、6時50分に出る予定。
仕方がないので、立ってパンを口におしこみながら、なんとか7時前には家を出る。
朝焼けが美しいなあと余裕の観賞をしながら、病院へ向かう。
朝焼けって、下から上に山や建物を照らすのね。
以前、写真だけ見て、朝焼けと夕焼けの違いがわからなかったのだけど、初めてわかった。色といい、日のさし方といい、朝日と夕日は違う。

病室に着いたのは、7時半前で、いささか早すぎた。
とっくに、じいちゃんは起床して、テレビを見ていた。
開口一番、歯がぐらぐらしていたのをあれから、歯医者に見てもらい、かためてもらったらしい。ぐらぐらしないことをしきりと不思議がっていた。国立病院ならではの迅速な措置だろうと思う。夕方になって、気がついて、それから、歯医者で歯をかためてもらう芸当ができるとはね。ちと、九大を見直した。

そうこうするうちに車いすで手術室につれていかれたじいちゃん。
手術室の前でお別れだ。
割とあっけない。

待合室は、8時前だというのに、あっというまに人であふれ、平日なのに、こんなにたくさん。手術がたくさんあるんだろうなあ。
だいたい、11時くらいには終了の予定と聞いていたので、11時半をこえると、やきもきした。ほどなく、内線電話で名前を呼ばれた。
手術室の横の部屋で説明がある。
インフォームド・コンセントの時のように、レントゲン写真が使用前、使用後とふたつ貼付けてあった。
見事に人工関節がついていた。
先生のお話でも、申し分ない、手術のできだと言われ、間違いなく、急速破壊型と太鼓判を押された。(喜ぶべきか?)
麻酔は、腰の麻酔だけなので、自由に患者はお話できるのだが、じいちゃんは、かなり、手術中もおしゃべりしていたようだ。先生もそのおしゃべりが面白かったらしく、ぶどうが食べたいとかいわれてましたよ、と、教えていただいた。本人は、覚えていなかったが。
手術自体は、きれいにモモ骨に人工関節がささっていて、短かった左足もほぼ、長くなり、大成功と言えるだろう。

手術室から、じいちゃんが出てきた。もちろん、ベッドに安静にされたまま。
ドアから出るやいなや、じいちゃんは、何かしゃべっている。
酸素マスクが口にはめてあって、よく聞き取れない。
手術の様子、部屋が100ぐらいあるくらい広いとか、人工関節を骨にさすガンガンという音がすごかったとか。麻酔のせいか、びりびりしたとか・・。
手術室では、子供に話しかけるように話しかけられたとか。
とにかく、間断なく、しゃべっている。
おいおい、ほんとに、手術を受けた人間か。
ほかの方も手術室から出てこられてたが、みんな、土気色になって憔悴しきったお顔であったのに。
エレベーターに乗り込むも興奮さめやらず。先生はものすごく手術がスムーズにいったことを喜んでいらしたとか。スタッフの服装の話やら、おしゃべりがとまらない。ちょっと、麻酔を今からでもうってもらった方がいいんと違うやろか?おとなしくなるようなやつを。
病室に戻り、今度は、いろんな機械に体を拘束される。
お約束の点滴は、左右二本。酸素吸入に尿カテーテル。指に酸素計測器。腕に血圧形。足は、静脈血栓防止靴下にマッサージ器。患部にドレーン。背中は、麻酔を打った管からの痛み止め。
きょうは、頭をおこすのも、寝返りも禁止の絶対安静。

なのにねー。じいちゃんは、ちょっと、話しかけると、うっと首を亀の子のようにのばしてくれる。だから、首をおこすのもだめなんだってば。。
そのうち、手術した方の足が足枕から落っこちそうになる。
時計をしたら、点滴がとまって、ピーとなり、酸素計測器も自分でとって、ピーとなり、やたら、にきやかで、忙しい病室だ。そのたびに、看護士さんがでたりはいったり。

あまりにしゃべるためか、くちびるが白く乾いて、痛そう。皮膚がガビガビになっている。お茶をあげたいけど、まだ、飲むのは、禁止。
テッシュで拭くくらいはだいじょうぶといわれたけど、全然まにあわん。
寝てくれたら、一番いいんだけど。やっぱり、しゃべりたいみたい。
きょうの看護婦さんは、中年なのに、よく動いてくれて感心だと絶賛する。
ただ単に、じいちゃんの扱いに長けていらっしゃる、年の功ジカラがあるんだと思うのだけど。
ベタ褒め看護士さんは、ななめむかいのじいちゃんにも、こちらが気恥ずかしくなることをあっけらかんと話しかけてある。
ちなみに、斜め向かいのじいちゃんは暑がりのようで、すぐに上のパジャマ、シャツ、ズボンまで脱いじゃうらしい。しかも、下ははすっぽんぽんでいびきかいてるから・・若い看護婦さんは目のやり場に困るというわけ。
というようなことを中年看護士さんは、ふんどしくらいはつけてないと恥ずかしいでしょう・・男前がさがるよと、すると、そのじいちゃんもほにゃららがほにゃらら〜からねー・・って・・・。そやろ、ちゃんとふんどししないと。と、平然と受ける看護士さんは、えらかった♪

お茶飲み補助だけは、してかえろうと思ったが。
なかなか許可がおりない。
朝7時過ぎにきて、5時をまわり、きりがないので、おいとますることにした。
今一度念押しと思い。
いい、お茶飲むのも看護士さんを呼んでくださいね。決して起きて自分で飲もうと思わないように。
飲めるがよ、お茶、起きれば・・。
だ・か・ら。起きたらだめなんだってば。
きょうは絶対安静にしててね。。。

って、帰宅してからも非常に気がかりだ。

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あしたの手術の準備

結局じいちゃんは、貯血のための入院から一時帰宅がかなわず、病院のベッドにしばりつけられたまま。
手術に必要なものは、私が一手に引き受けることになった。
どう考えてもあすが手術ということは、きょう、そろえるしかない。
旦那は、当日でもよかろーもんとのたまうが、このじいちゃんにして、この息子あり・・事態の認識不足と言ったら、のどをかきむしりたくなるほど。
それはさておき、するべきことはする、やれるときはちゃんとやるを心得ている私は、でかける30分前から、大騒動して、うちのなかをひっかきまわして、バスタオル、タオル等をそろえた。
あとは、病院の売店で買うものだけだ。

相変わらず、ベッドでごろ寝のお気楽テレビ鑑賞をしていたじいちゃんにお声をかけ、あしたいるものをそろえとこうか・・と、言ってみた。
売店に買いにいかないといけないんだけど、一緒にいく?それとも、私が買ってこようかとたずねてみる。
T字帯は、ふんどしがあるからいらんやろーと、いうじいちゃんを手術やから、T字帯いると思うよと、説得するものの、譲らん。
じゃ、看護士さんに聞いてみるで、保留にして。
あとは、紙オムツ、平型がいるね。
となりの人がお尻の下にひくがと言ってたから一枚でいいか・・。
それも、3枚から5枚と書いてあるから、看護士さんに聞こうねとやさしく説得する。
売店には、どうやら、自分も行くらしく、財布がいるか?と尋ね返され、いるんじゃないの、売店だからと、一応答えた。
杖ついて行くかと言うと、遠いから車いすに乗るという。
ベッドのかたわらには、常時、車いすがセットしてあり、いつでも、乗れる。
このフロアーの患者様は、皆さん、自力で車いすを器用にあやつっておられる。
じいちゃんは、自分でこげると?
いや、こいだことない。
ここをあっちやると、ブレーキで動かんごとなる。
なるほど。
えっと、じゃ、ブレーキはずしてね。
動かすから。
うっ!重い。重すぎる。じいちゃん、重いよ。
まっすぐいかず、蛇行運転になってしまう。
ナースステーションで、例のもめたT字帯と紙おむつの詳細を聞く。
男の方だから、ふんどしでだいじょうぶですよ・・。
うれしそうなじいちゃん。
紙おむつは、長方形のが売店にあるので、聞いてくださいとのこと。

エレベーターに乗り込むのは、大変。後ろから押して、方向転換しろと言うので、長四角のなかで、ぐるりとまわった。これは、案外、スムーズにできた。
車いすの車輪がえらく機敏に動いてくれる。

売店の中はもっと大変。通路にはみでた商品の箱。角にある説明の旗。
狭い通路を歩く人。よけたり、棚にあたったりする。じいちゃんの手が届くとこにうまく車いすを寄せるのは技がいる。
そこでじいちゃんの一言。
車の運転と一緒たい。
ま、そうなんですが・・。

病室に戻り、そろそろ、かえろうかなと立ちかけたら、あしたの為に麻酔の先生の説明があるといわれ、また、腰をおろす。
キンキン声のお若い女の子とでも言ったほうがよさそうな白衣の先生から説明を受ける。
意外だったのは、全身麻酔かと思ってたのに、腰から下の局所麻酔しかしないのだそうだ。手術としては、時間的に軽い方なのだろう。
麻酔を打つ時に脊髄付近に注射するとかで、左を下に横向きにならないといけない。じいちゃんは、左が悪いわけだから、日頃から、左をしたに寝ることは、していない。
ということを先生に説明する。
じいちゃんは、左向けでというのが今いちわからない。
だけど、ベッドで左を下に寝てもらったら、平気であった。
どうもない。
じゃそれでいいよね。
手術の時は、右を下に横向きに行うらしい。

麻酔は脊髄に限りなく接触する位置まで針を入れる為、手術中は、うなづきは禁止、口で、はいといいえを言って下さい。
うんと、うなづくじいちゃん。
麻酔の先生は、あせって、うなづいたら、脊髄の針が違うところにもしかしてあたりといけないので、だめですよ。
うんとうなづくじいちゃん。
うなづいたら、いかんとよ、と、私。
うなづいて、そうや、と、言うじいちゃん・・・・。
ありゃりゃ・・・きりがない・・・。

そんなこんなで、話は進み、念のため、ご高齢ですから、もしかしたら、途中で全身麻酔をするかもしれないので、その可能性と、注意について話があった。

ほとんど、聞き流していたのだが。
歯は悪くないですか?
入れ歯を入れてるけど、はずしたほうがいいですか?と、じいちゃん。
見せてください。
とりはずし、見せるじいちゃん。
これは、朝、はずしといてくださいね。と、先生。
歯は、だいじょうぶですか?
どうもなってない、と、じいちゃん。
ちょっと見せてください。大きく口をあけて。
失礼します。と、先生がさわると、ぐらぐら・・・。
あらら、おくの歯もぐらぐら。。。
全身麻酔の時は、無意識状態になって、口をこじあけるので、どうしても、口をあけるとき、歯の部分に握力がかかる。
それで、折れてしまうこともある。
そして、こわいのは、その折れた歯が器官に入ってしまって合併症をひきおこす。ゆゆしき問題だ。
じいちゃんは、相変わらず、ピンとこない様子である。
歯科医に診察してもらって、抜くかもしれません。
こんだけ、ぐらぐらしようから、抜いてた方がいいねと、私。
ほんとに、たかだか、麻酔の説明かと思ったら、とんでもない事実がでてくる。びっくり。

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インフォームド・コンセント

じいちゃんの主治医からの要請で、手術前の説明にお話を伺いに行った。
手術の詳しい説明と、現在の体の状況、術後についてと、多岐にわたって、話があった。
手術そのものについては、文書やネットなどで、なんとなく理解していたものの、実際、これをいれますと、本物の人工関節を見た時は、こんなんが足の骨にささるのかと、今の医学の進歩に脅威を覚えた。
レントゲンでじいちゃんの足の付け根を見ると、右は、丸い間接がお月様のように見えるのに、左は、間接の丸い部分がひしゃげ、なおかつ、股関節本体部分にめりこんでいる。レントゲンだけでも、5センチ以上、上にずれこんでいるのがわかる。ほんとに、こんだけ、めりこんでいたら、いいわけないということが目に見えて納得できる。なんでも、年齢も年齢なので、このめり込み方は、半年くらいで急速に進んだらしいのだ。このままいけばどうなったかと思うと、ちょっと怖かった。

じいちゃんの現在の体の状況もいろいろ問題を抱えていた。
心臓の微弱の乱れ、糖尿っ気、人工股関節を埋め込むにあたっての股の骨のもろさなど、心配しだしたら、きりがなくなるほどであった。中でも、尿路感染症にかかってたらしく、それが、大きなキーポイントだった。でも、幸いなるかな、じいちゃんのくそ根性のせいか、全部の問題を抱えても手術には問題ないとの結果であった。

術後については、和風のトイレ厳禁など、いくつか、できない動作がある。間接を深く曲げるとはずれたりすることがまれにあるからだ。
じいちゃんは、すかさず、膝はまげてもいいですか?と質問する。
先生は、一瞬、きょとんしたものの、人工関節は、これぐらいだから、膝までこないので、ふつうにされててくださいと、口元に笑いを含みながらおっしゃった。まともに納得したじいちゃんは、安心したようにうなづく。
あと、気になったのは、おふろのこと。しゃがめないと入れない風呂なので、だいじょぶだろうかと尋ねてみた。
もちろん、曲げ方さえ気をつければ問題ないと言うことだった。
そしたら、何を思ったか、じいちゃん。
風呂に入るときは、右足から入れて、左足をいれますと、自分が風呂に入るときのありさまを極めて詳しく説明しだした・・・。
先生は、ほとんど、笑いながら。
トンで入るわけにはいかないから、やっぱり、右足からでも左足からでもどちらかからでも、片足づつ、入らないと・・と、満面の笑顔で話をされた。

何はともあれ、8日の手術が無事に終わればいうことないということだ。

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じいちゃん退院延びる

勢い込んで、病室に入った。
じいちゃんは、ベッドの上で寝間着を着て、イヤホンしてテレビ視聴中。
退院は、どうなった?と、私。
何も言ってこん。と、じいちゃん。
朝、貯血はあったの?
輸血(貯血)はあった。
それで、何か言われた?
いやあ・・八木病院(K病院)のレントゲンフイルム(CT断層写真)ができてないから、もう少し、様子を見ましょうと、言われた。
で、いつとかは、言われた?
いや・・・。
きょうは、このあと、先生が見えるかな?
いつも、先生は、来んよ。
何日か前、女の先生が1日は、誕生日だから、献血(貯血)がすんだら、帰られるようにしましょうね。と、言われた。
ん、そしたら、きょう、かえれるのか、かえれないのか、さっぱり、わからんね。
ちょっと、ナースステーションに行って聞いてみるから。
ナースステーションでおたずねする。
きょう、退院と聞いたのですが。
土曜日に退院の予定が入ってます。
え!
じゃ、きょうは、退院は、ないんですね。
あしたも退院は、ないんですね。
土曜日になってます。

じいちゃんには、土曜日に退院と伝えた。
日曜は、休みやろうもん。
いや、土曜だから、できるみたいよ。
土曜も日曜やろうもん。
土曜は、昼までだから、だいじょうぶみたいよ。(しょうない。半ドンの理屈でおしきろう)
だから、今度は、土曜にくるから。

と、突然、となりの病室にいたじいちゃんの声を荒げる声。
そんなこと、わかってる。ごちゃごちゃ言われても、わからん!
看護婦さんのぼそぼそな声。
あっちゃー!我が道を行くじいちゃん2号、ここでも発生してる・・。
ええっと、そうそう、今度の手術が11月8日だから。
前の日には、また、入院よね。
金曜日に来週の手術を決めるから、あしたにならな、わからんよ。と、じいちゃん。
って、こないだ、先生が言ってらしたじゃない。
11月8日の手術日は、かわらないって・・。
ここに書いてあって、金曜に会議があって・・・・。と、じいちゃん。
あらあら、ほんと・・・。
(たしかに書いてあるが、たぶん、これから先の手術を決めるという意味だと思うから、すでに決まってるじいちゃんは、関係ない)
じゃ、あした、また、先生に聞いておいてくれる。
先生は、来んから。
えっ、先生はこないの。
先生は、朝早く、お茶汲みに行ってたとき、すれちがって、歩くのたいへんそうやなと、声かけられた。
あと、主治医の偉い先生は、晩ご飯を食べてるときに、さっと入ってきて、もう少し我慢してくださいといわれて、たずねる暇がなかった。
5分しかおらんがよ。
はいはい、聞く暇ないのね。

早い話が肝心なことは、看護士さんに聞いたほうが早いということだ・・。

というわけで、散々堂々巡りの話におつきあいしてまいりました♪

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