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おばの納骨式


叔母が亡くなって、ふた月あまり。
法要が行われた。
今回は、妹の都合もついたので、母、うちの旦那と、総勢4人で向かう。
にぎやかなことが好きだった叔母ですから、とにかく、人がいっぱいが供養になるのではないかと思った。
田舎の式で、全く予備知識がないまま。
頼みの母も聞いても、曖昧モコモコで。
聞いた私が馬鹿だったのねの世界。
旦那にも式だから、黒いの一式じゃないといかんよねと問われて、相変わらず、出発一時間前で、黒いの黒いのと探すものの、なぜか探すときには、見つからず。
ま、いいっか。田舎やから、多小色もんのものでもと、よかよかの服装で行った。
私もよかよかで、上は、紺のブラウスで、下は、黒のタイトと、田舎仕様。
妹もグレイのスカート。母だけ、黒のとりあえず喪服。

10時半のお式に30分前に着いた。
なんとまあ、二部屋続きの間には、すでに黒服姿が5・6人固まってる。
全部で30人ばかしなるらしい。。。
ごく身内の親戚だけかと思ってた私たち。
ひょいと、自分たちの服装をみると、色とりどり。。。
当然、旦那から、おいおい視線が・・。
遠くからきてるから、よかろーもんと、なぐさめてみた。

お葬式と同じ、浄土真宗大谷派の住職様の奥様と息子さんがお経をあげてくださる。
勤行帳なるのものを各自に配られる。
それから、お経が終わったかと思うと、次は、唱和するお経何ページからと、いうふうに延々とつづく。
でも、さすが、田舎の人々。
どなたも正座から足を崩さずに微動だにしない。
母は、しっつもっつするせいかスカートがまくれあがり、ラクダ色の毛足のタイツが見えだしたので、横からスカートをずりさげる。
しばらくすると、ずるずると・・・。まったく、黒かったら、少しはましなものを・・。
南無阿弥陀仏が終わって、やれやれと思う暇もなく、盆焼香といって、手から手へと焼香がぐるぐるまわされる。
ひとりが手にもち、横の人がお香をつまみ手をあわせる。
いとこの子供も神妙に(5歳男の子)正座している。
背中がなぜか、丸い。
そういえば、うちの長男も小さい時は、背中がぐにゃぐにゃで、背中がこんなふうにあるまじろみたいだったなと、思いつつ、次男はそうでもないからと、これって、個性かと思いながらも、長男は、私に似て、体がかたいから、この子もかたいのかなとか、しようもないことをつらつら、考えていた。

お寺さんのお帰りのご挨拶が終わり、次は、お寺に行って、納骨をする。
みなさん、勝手知ったる納骨堂。
てんでばらばらに玄関から出て、歩いてゆく。
そう、お寺は、歩いて、数分の場所にある。
お外は、天気もよくて、田んぼの緑も鮮やか。
これはなんね?と、聞くと、麦だそうだ。見渡す限り、麦畑だ。
川の横には、ヤブツバキの赤が冴えている。その横には、早咲きの桜が満開。

母が生まれる前からあったこのお寺、悲しいほどに古びている。
コンクリート作りの納骨堂は、それでも、形だけは立派だ。
今ふうではない、小さな納骨だなは、団地なみに小さい。
たぶん、骨壺は入らない。
どうするんだろう。
ここでも、お経を唱えたあとは、近しい親族の方からと言われて、ビニール袋に骨壺から手づかみで、ひとつづつ、うつす。
手づかみ!
専用の入れものにいれる。
歴代のなくなられたお骨の上に叔母の分も重なる。
私の亡くなった父も分骨して、下に埋もれているらしい。
いっぱいになったら、どうするんだろうね。
したに穴が開いてて、そこに落ちるらしいと母。
ひぇー。なんか、すごすぎる。
納骨堂の下は、骨だらけ!
こわすぎる。
いわれて見れば、納骨堂。
階段が13階段ほどあって、2階建ての2階くらいほどの高さにある。
先に降りて、庭をうろうろ。

灯籠の下に寄贈した人の名前がある。
じいちゃんのお兄さんらしい。
母の一族は、昔、武士で、このあたりをずっと、開拓して、かなりの地主さんだったらしい。
けれども、じいちゃんの兄さんは、白紙に署名捺印したために、だまされて、すべての田畑をとられたらしい。
そういういきさつのあるじいちゃんのお兄さんの名前が灯籠に残っている。

ここのお寺の門は、なんと、叔父が作ったらしい。
それも左官になって初めてのとき。
40数年前のだそうだ。
ほんとに、こういう仕事は、100年200年残る仕事だとあらためて、叔父の仕事のすごさに思いあたる。

うちに帰ると、おときのお食事。
テーブルの上は、のりきれないほどのごちそう。
お顔を知らない人がたくさん。
なにやら、話を聞いてると、先生、先生と、先生が何人もいるらしい。
果たして、何の先生なのだか、わけわからずに、適当にあいづちをうつ。
あとで、伺うと、叔母のお花の先生に三味線の先生に絵の先生と。
どの方もいろんないきさつがあっての、縁だったらしい。
ここに集まる人々は、みんな、仲がいい。
それぞれの事情を抱えながらの、納骨式参加。
盛り上がりの話の先は、なんとか温泉に行きましょう♪
この場でまとまり、行かれるらしい。
これも、叔母の人徳から発したことだか・・・。

お客様がそれぞれ、帰られたら、一気に寂しい。
叔父は、すでにお酒がまわり、口もすべり。
何度も同じことをリピート。
おばの病気のいきさつからの自分にたいする、責めから。
病院でつらかったこと。
お正月に無理やり、帰宅を病院にせまったら、命がちぢまってもいいのかといわれたことにたいする後悔などなど。
言っても言っても、感情はおさまらないのだろう。
死の場面までゆくと、また、元にかえり、また、同じ繰り言を繰り返す。
今の生活も義理のばあちゃん(叔母の母親)との確執があり、おだやかに毎日過ごせてないようす。
変に侠気のある叔父は、つっぱねるということができず、そのはざまにたって、もんもんとしている。
それでも、最近仕事を始めたとのこと。少しは、打開策になるとよいと思う。

突然、叔父が何を言い出すかと、思うと、叔母が持ってたアクセサリーを形見にもらってくれと。
たくさんのネックレスの箱やらを両手にいっぱい抱えてきた。
あらら、どれもからっぽ。
娘さんやらお嫁さんたちが持ち去ったあとのようだ。
気持ちだけありがたくちょうだいすることにしょう。
と、思ってたら、今度は、鏡台のとこのまわりにあった、ばらばらの、きっと、日頃、身につけられてたと思われる、ブローチなどのアクセサリーを持ってきた。
わおー、これって、ワゴンセールみたいだね。
かたっぽづつのイヤリングのペアあわせをしたり。
セットになってるネックレスを探したり。
ここに何しにきてるかをすっかり忘れて熱中。
鏡がなくて、わからんねーと、しゃべながら、指輪をしたり、ブローチをはめてみたり、光ものだらけにして、どう!と、旦那にふると、あきれられた。
叔父もふたつまでにしとき!と、言ったけど、気がついたら、バックに5.6個がめてた。
私って、どういうやつ?

たいがいにしなさいとおこられて、夕食の時間。
おときの残り物の煮物がまた、うまい。
叔父の弟は、料理は、玄人級。
味のしみた大根。こんにゃく。飴色にそまったじゃがいも。レンコン。
おいしすぎる。
お昼の地鶏のたたきもうまい具合にいためなおしてお色直し。
絶妙な塩加減で、食べだしたらやめられない。
食事が終わると、母がさっさと、おいとまの挨拶をしてた。
が、私といえば、叔父の際限ないおしゃべりの輪から抜け出せず。
ぎゃー、おいてかないでー。と。

つくづくと、おとなしくしていようという、行きがけの決意は、相変わらず、帰りに反省の帰り道。

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