ブーリン家の姉妹
歴史の陰に女あり。
この時代の歴史を変えるできごとに女の確執のようなことが原因であったなんて。
すごいと思う反面、あきれてしまう。
原題はThe Other Boleyn Girl.
歴史にあらわれなかったもう一人娘。この場合は、妹のメアリーのことだろう。
サブタイトル。
愛はわけられない。
とある。
が、愛の質から言えば、アンとメアリー。
求めるものがそもそも違う。
アンは、ズバリ、ヘンリーという男を愛したのではなく、王妃という椅子を愛した。
そのためには、ヘンリーの執着を利用した。王妃の椅子を狙うためには、愛など数ではない。
自分の思い通りに事が進むと信じて疑わなかった。
そう、誤算。
ところがどっこい、神様は、意地悪。
授かり物である赤ちゃんまでは、精密に予測できない。
かくして、ヘンリーの愛がそがれていくアンはめちゃくちゃあせる。
あせって、椅子にしがみついているためには、倫理もくそくらえ。
人間、おごれるものは久しからず。
謙虚を忘れたはてには、破滅が待っている。
その典型的パターンに身の毛がよだつ。
メアリーは、善悪からすれば、稀代の善人のように感じられるかもしれない。
親のいいつけとおりに、王様の相手をし、いつしか、ほんとに愛してしまうというのもありかも。
しかしながら、その前には一度お嫁にいっているのだ。
それを知りつつ、王の権限で堂々と人の妻を盗んでいくヘンリー。
弱々しくて、すべてに流されていくメアリー。
その弱々しいメアリーは、あんなに、コケにされたアンのために命の嘆願にいく。
このあたりがThe Other Boleyn Girlの所以かも。
たくましさを見せ始める生き方に賛同者は、多いだろう。
歴史は、繰り返す。
人間は愚か。
いつの時代も過ちを繰り返し、歴史は作られる。
どんなに技術が発展し、どんなに文明が発達しても、人間の真の心の動きは、ちっともかわっていないことに愕然とする。
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