輝ける闇(開高健)
だんだんわからなくなる。
ベトナム戦争って、いったいなんだったのか。
筆者は、実際にベトナム戦争の進軍をともにした。
それこそ、九死に一生を得た。
この時代に戦争があるなどと信じられないのだが。
これを読むと、ゲリラ戦にしても、なぜゆえ、いつまでも終わらないのか、わかってくる。
戦争が闇とするならば。
平和は光か?
はざまにある混沌は。
今の世の中。完璧な平和とはいいがたい。
闇と光が入り乱れて、だんだらもようの混沌としたさまは、知らなければ、いかようにも、闇に連れて行かれそうだ。
ある意味、不確かな闇とも言える。
しかし、戦争を知らない者には、どこまで言っても、戦争の身近な怖さというものがわかりづらい。
毎日、起きて、ごはんを食べの、起きてから、すでに始まっている、戦い。
それも、命をかけた。
運が悪いという奇跡的ないいわけができないすざましいほどの危険。
戦争、する側もされる側も、暮らしているただの庶民もえらい大尉もなにもかもがむなしさを感じる世界。すこぶる命がおしなべて同じ価値をもつ。
それにしても、ベトコンのすごさ。
彼ら皆、自分たちの命を最初から捨ててかかってるとしか思えない。
武士言うところの不自惜身命、捨て身の覚悟がアメリカ人と完璧に精神が違っていたと思う。
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