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伊藤伝右衛門邸

Den8

予備知識もないまま、日帰り旅行先がそれだった。
あまりの大邸宅さに、驚いた。
玄関の屏風に目を細める間もなく、左手にある洋間。
畳敷きの広い廊下。
模様で、天井を高く見える方法。
運動会ができそうなひろいひろい畳の部屋。
広大な園庭が見渡せる二階の白連さんのおへや。
どこもかしこも始終目をきょろきょろしてなくちゃいけないほど。
炊事場の板張りの小学校の給食室を彷彿とさせるセメントの流しや、蔵にあった粘土でできたおひな様にも、どこもかしこも目を見張るものばかり。
板戸に描かれた絵もそれだけで、掛け軸のようなおもむきを持っている。
屋敷全体がこれだけの調度を備えていたとは、ほんとにお金持ちなんだろうなあ。
でも、ひと歩きするごとに、しんしんと冷える足下には、いくら、広くてもこの寒さは、耐えきれんと伝右衛門さんちの人間関係及ぶにつけ、白連さんの心もさぞや冷えたのだろうと思う。

庭の広さも尋常ではない。
築山あり。川あり。太鼓橋あり。あずまやあり。
樹木も高いの低いの紅葉したの。
よそにウォーキングしにいかなくても、ここの庭だけで、一時間は、過ごせそうな勢いである。

帰宅してから、よくよく伊藤伝右衛門を調べたら、なかなかの人物のようで、粗野ではあるが、実行力も肝の太さも備えた人物だったんだなあと白連さんには悪いが、またまた、見直したりもした。

世の中、庶民は、一年が一日のようにかわり映えのしない毎日ではあるが、こと、お金持ちになると、とことん、波乱に満ちた人生をおくっているのかと、逆に感嘆した。

なあんて、高尚なことを考えながら。
ほんとか?
庭を歩き回ってた私は、片隅にあるお茶所にすいすいと引き寄せられていく。
なになに。
お菓子つきコーヒー、一杯。200円。
クッキーかマカロンか、悩みに悩み。
二個入ってるマカロンに決める。
けど、このマカロン、かみきれん。
なんか、違うよな。口の中でとろけるのがマカロンなんじゃあ・・・。
おいしいコーヒーを飲み、お外でお庭を眺めてるふりをしながら、おしゃべりする幸せな瞬間。
おばちゃん族は、ここで、至福の時間を味わう。

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