赤毛のレドメイン家/E・フィルポッツ
1922年に書かれたこの小説は、江戸川乱歩が絶賛した推理小説である。
出だしから、すでに物語の一歩が始まっている。
というのは、とても当たり前なことであるが、最後の謎解きに至って初めて合点のいくくだりでもある。
ストーリーを語りたくて、うずうず。
が、それをいっちゃあおしめえーだよ♪
我慢して、ストーリーいわずになぜこれが面白いのかを私なりに一席。
緻密に計算された犯人側の目論みで次から次に人を駒のように動かしてゆく手腕は、人という感情動物の何たるかを骨の髄からわかりしめた物語でもある。
この時代でも今現代でもこの人間の性は、ひとつも変わってない。
このあたりの憎いほどの手並みの鮮やかさは、さすがに乱歩推薦だけある。
しかし、この人間の性、わかっちゃいるが感情はままならぬ。
白いものも黒と言われれば黒に見える。
浅はかでもあるが、人間臭くもあり。
かように時代がどんなにかわろうがどんなに文明が発達しようが、どんなに立派な肩書きを持とうが、所詮、人はこれからはのがれられないものでもある。
ぶっちゃけ、男がばかなのかもしれん。
希代の悪女、元祖これにあり。
なあんて、ここまで、書くと、読んでる皆様におこられる・・・。
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