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機能不全家族/西尾和美

Kinoufuzen
機能不全とは、親から身体的精神的性的虐待を受けて育った人たちである。
故に健全な父親母親像を知らずに育った人をアダルトチルドレンという。
こどもは、親が口にする言葉、身体や態度で示すメッセージ、無意識に表現する感情などが、強く伝わり、影響を受けるものなのである。

親になりきれない親たちというサブタイトルのこの本は、いかに親の言動が子供に影響を及ぼすのとかいうことをわかりやすく解説してある。
読み進めて、改めて思うのは、これは、子供にたいしてだけではなく、人とのコミュニケーションとしても、十分役立つのではないかとも思う。
どうして、そういう言葉をいうのか、その裏にある心というのはいったい何だろうかということまで、掘り下げていくと、実は、攻撃的な言葉は、その人の弱さであったりするわけだ。
感情任せに口走る言葉もそうだ。
それを言っても事態は何もかわらないのに、親の立場だけで、屈服させようとする。
なんぞ、親自体の生き方ややってることと一致していなければ、なんの説得力もなく、それどころか、ただの反発の元を作るということでもある。

厳しく考えていくと機能不全家族というのは、あるいは、80パーセント以上の確率で存在しているような気もする。
そして、そのマイナスの言葉掛けは、連綿と子孫に反映されていく。
なんとも、哀しい。

親子だけという細かなことだけに終始するならば、やはり、親というのは、一夜にしてならず。
単なる子供が授かっただけでは、つとまらないことを肝に銘じるべきだろう。

機能不全の家に育ったことを自分の欠けた情緒を認識するならば、まず、そこをきちんと見据えよう。
どういう親であったか、自分にされたこと、感じたことを素直に認めよう。
そして、ここが大事だ。
親を許してはいけない。
悪いのは、自分か親かどちらかであるはず。
自分のなかで、それがどういうことか納得がいくまでは、親を許し自分が悪かったというふうに結論づけてはいけない。

と、まあ、いろいろなことが書いてあるわけですが、うちは、まともだったと思う人もこの本を読むと、もしかして、自分が陥ってる子供のためという理屈がどれだけ親のエゴに満ちているものかということも気づくかもしれない。

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