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2009年6月

太郎が恋をする頃までは(栗原美和子)

Tarou
友達にすすめられた。
もう、泣けた泣けた・・・!
って、前口上をさんざん聞いていた。
表紙を見たら、猿回しの人とのウェディング姿。
猿回しって、苦労があるのかねえ・・・。
てな具合で、読み始めて行ったけど、さすがノンフィクション。
飾りも何もない文章で、ああ、そういえば、テレビでそんな人がいたっけなあ・・みたいなおぼろげながらの記憶もよみがえったりもする。

運命的な出会いで、なんとも、男くさい太郎さんに、いいやんか、人間、大きいほうがいいよねえと胸にひとりごちながら、読んでいく。
と、衝撃的発言がとびだす。
俺は、部落出身だ!
今時、そんなことで、差別をする人なんて、いるかいな。
ま、このあたりでも、そういう場所は残ってるらしいけど、別にそんなの関係ねえ・・みたいな感じで、過ごしているし。

が、舞台はかなり、奈落へ奈落へと導かれていく。
お互いの相性や、性格や、そんなことは全く関係ない。
ただただ、非差別部落だというだけでの親戚縁者の過剰反応。
縁を切ると真剣にいうのだから、その差別の深さがわかろうというもの。

それは、実際、そこに足を踏み入れてないことにはその実感がわかないものだということもこの著者のおかあさんの言葉でもわかる。
著者が相手が部落出身だと打ち明けたとき、母親は大反対する。
それを単に自分たちの身を守るための保身だと考えてた著者。
傲然と反発する。
しかし、母は、娘を守るため。
自分が娘に憎まれても、世間からの冷たい視線を浴びさせることは避けたいと、脳梗塞で倒れる前に父親に語っていたのだ。

その理不尽な差別は、今この瞬間でも、日本のどこかで、受けてる方がいらっしゃる。
何の意味もないそこだけに生まれたということだけが差別の根拠だとすると、ナンセンスこのうえない。
その意識というのは、いったい、どういう意味なのだろうかと、考えれば考えるほどにわからなくなる。

そして、最後にこのタイトルの太郎が恋をする頃までにはの裏の意味を知ると、涙がとまらなくなる。

ぜひ、差別というものの実態をこの本で体感してほしい。

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ワイルド・スワン/ユン・チアン

文化大革命というのは、おぼろげながら、歴史の中の一こまとして、記憶に残ってるくらいで、いったいなんなのかと具体的には理解できてなかった。
著者ユン・チアンは、そのまっただなかに生きてきた人。
内部の人間しか知り得ないことをかなり詳しく書き連ねてある。
なるほど、一読の価値がある書物である。
名だたるノンフィクションと言えども歴史に密接に関わる大事とひとりの人間としての生き様からの視点は、読むものを必ずや、深い考察の域に達するだろう。
はからずも、日本で共産主義が嫌われているということの意味がここにきて、ようやく理解できた気がする。

毛沢東という人物があまりに人格的におかしかったのか、それとも、共産主義というものを曲解しすぎていたのか、それとも、まわりにいたものが悪かったのか・・。
これほど民を恐怖政治で陥れた征服者はいなかった!
物質的ならず、精神的迫害もひどすぎる。
読みながら、北朝鮮がかぶってくる。
ひとりの独裁者。
そして、苦しめられる人民。
迫害と洗脳。
まさしく、地獄のような世界だ。
その中で、恵まれていた著者家族が生き延びられたのも奇跡に近い。
今の中国がどれだけ、そのときの傷を残しているのかは不明だが、この時代の破壊は、あまりにもすざましくて、中国三千年の歴史が歪曲するほどのものだったのではと思ってしまう。

しかし、人間ここまで残酷になれるのだろうか。
自分が助かるためには、人を陥れることが平気になるし。
そして、自分の理念を曲げないためには、自殺するしか道が残されず。
自己批判というあられもない弾圧で命を落とす人が次から次に出続けていく。

どこからどこまで読んでも、ひどすぎる内容に、これが真実だとうことにカルチャーショックさえ。

平和な国。日本。
平和ぼけした日本。
世にひどい話はたくさんあるけど、これほど悲惨な話はないと思う。

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寄生虫


朝、子犬がげぼっと吐いた。
また、いたらぬものを悪食したのか。
段ボール食いやペットシーツかみかみはいつものこと。
べーじゅのかたまりを見ながら、いったい何の残骸かと目を凝らしてみた。

その中に、透明のうようようごめくものがいる。

ぎゃーーーっ!

長さ、1〜2センチあまり。
くねくね動いている。

恐ろしくて、目をそむけながらも。
見なかったふりをするには、年をとり過ぎた。

仕方なく、犬の病気の本をひもといてみた。
どうも、寄生虫らしい。
寄生虫もいろいろで、どれがどれとは見分けがつかん。
長いひものようなもので、顔も手も足もない。
どちらにしても、自力でなおるわけはなさそう。
子供のときに虫下しのお薬を飲んだけど。
薬は必要だろう。
こんなとき、犬は、不便だ。
薬局がない。
セーロガンも熱冷ましも売ってない。よな。犬用は。

9時の開店を待って、動物病院に電話した。
とっておいた吐いたものと、ご丁寧に下痢便も几帳面に袋にいれた。

それを持っていざ病院へ。

初めての病院。
待合室には、先客のワンコたち。
抱いてドアを入ろうとすると、大きいワンコから、ワンワンほえられた。
車に乗るのにぷるぷるふるえてた子犬は、緊張でますますかたまった。

大きいワンコの飼い主は、立派などこかのおとうさん。
激しくしっぽをふる子犬にどこかのおとうさんは、かわいいを連発して、目をほそめてくれた。
最近、知らない人が人なつこく寄ってくるなんて、赤ちゃんを抱いて時以来だから、大変、面くらった。
まあ、私がかわいいと言ってるわけではないので、顔赤らめるほどではないけどね。

調べてもらったら、回虫だった。
そう、あの回虫。
なんでも、母親の胎内からうつった可能性が大きいのだそうだ。
詳しい説明をしてくれる若い男の先生に話半分になりながらも、駆虫薬を飲ませれば、大丈夫の説明に安堵。
下痢は、この季節、多いのだそうだ。回虫とは無関係とのことで、整腸薬をもらった。

友達からここの病院はいいわよ♪と聞かされてたけど、なるほど、先生よし、看護婦さんよし、値段良心的と、三拍子そろっていた。

帰宅したら、子犬のやつ、いつもの元気はどこぞやら、グーグー寝入って夕方に突入中。

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ワンコドーナツ

Pd

ひさしぶりにピザを作った。
ピザには、ピザソースとピーマンのみじん切りが必須だ。
少しくらい形が悪くても、トッピングがよければ、かなり、うまい。

そして、ついでに、うちのやんちゃワンコのために、ドーナツを作ってみた。
ワンコのおやつは、甘みもからみもほとんど味付けをしなくていい。
単純に粉を練って、焼くだけでオーケーな代物だ。
それもまた、味けないので、最大限、おごちそうになるようにいりこの粉末をいれてみた。
見た目は、うんちっぽいが、きっと、ワンコ、大喜び♪
ちなみに、食べてみたら、いりこの味が口いっぱいひろがって、美味♪

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