松坂慶子
ひとえにもふたえにも、松坂慶子を見たいがために天守物語のチケットをとった。
朗読だというので、多少退屈かなとは思ったものの、始まってみると。
効果音もすばらしい。
動きもある。
そして、何より、生でみる松坂慶子は、きれいだった。
きれいというより、綺麗という感じ。
とにかく、うつくしい。
たしか、私よりも、年上のはずなんだが。
どう見ても、30代程度にしかみえない。
妖艶さをしたためた美しさは、さすが女優だと脱帽する。
美しさばかりに気を取られている場合ではない。
台詞のうつくしさ・・そう、江戸の時代の日本語の言い回しは、忘れていた何かを思い起こさせる・・動作と言葉との連帯感が忙しい日々の罪を感じさせてくれる。
はっきりいって、ストーリーは今いちつかめなかった。
あとで、パンフを見て、ああ、そういう意味だったのかと思う始末。
少しは、勉強しておくべきだった。
感心しているうちに、物語はどんどん進む。
脇役さんたちも、声の通りがよすぎて、脇役というよりも、独立した主役がたくさんと思えるほどだった。
あとで、トークショーのなかで、経歴が披露されて、納得。
オペラ歌手だった。
いよいよ、クライマックスに近づき、若い男子が客席からやってくる。
おおっ、美形。
これはこれは、目の保養じゃ・・・。
とか、言ったか言わぬか。
松坂慶子演ずる富姫も一目で恋に落ちる。
亀姫のとんきょうさや、などなど、楽しい演出も盛りだくさん。
そして、実は、素人さん、つまり、市民参加のにわか俳優さんたちも出ていた。
たった三回ほどの練習でここまでできたとはびっくりな出番。
それに、知り合いのかおを見つけて、また、びっくり。
幕が降りて、市民参加の方の感激さめやらぬ感想に涙あり笑いありで、またまた、会場は盛り上がる。
劇のあとは、トークショーがあり二度楽しめた。
最後に質疑応答があった。
松坂慶子さんと直接お話ができ、もれなく、握手もついてくる。
ふっと、隣の席の人と、目が合った。
あ!ご近所の・・・。
疎遠ではあっても、知り合いの方。
つい、お話してると、見に行きたいと言われる。
質問があれば・・。
と、いうも、手をあげなさる。
このお方は、94歳。
とてもお元気。ここにも、ひとりで見えている。ようだ。
なんか、心もとないので、介添人しましょうか?と話がまとまった。
しかし、元気のいいほかの方の挙手に負ける。
遠くは遠賀から見えた方の質問。
松坂慶子の皮膚に異常に興味をつのらせた皮膚科医。
大事そうに抱えてきた自作の詩を差し出す東区の女性。
なんだか、変わった人ばかり質問されてるなあと思いながら、隣を見ると、94歳の隣人はじれている。
私も松坂慶子が見たいのよ。
うんうん、冥土の土産に見たかろうね。
と、手をあげるも・・・。
司会は無情の通知。
松坂慶子の飛行機の時間がありますので、申し訳ありませんが、これで終わらせていただきます。
隣人の、深いため息が・・。
思った以上に楽しめた2時間。
うちから、5分の近場でほんまもんが見れる醍醐味。
こんなお得なことがあるなんて、利用しなくちゃもったいない。
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