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1Q84 BOOK1(村上春樹)

そうだな。村上春樹は、こんな感じかな。
現実とニアミスしてるようなストーリーの展開と、ひとつひとつの言葉の心地よさと。
かなり、エッチな部分も内包しておきながらも、すれすれの部分での本質もついている故の爽快感。
といったらいいか。
この年代ならではの歴史的事件の納得のようなぞくぞくしたものだとか。

会話の妙味も楽しむのもいいし。
人物設定の魅力もあるのかもしれない。

暗くじめじめした雰囲気にはならず、かなりなところも、ユーモアもあるしなあ。

ひとつづつ、ストーリーを追いながら、書いてゆくときりがないけれども、そうはしなくても、丸ごと楽しめるというのもこの人ならではだろう。

久しぶりに二度読みした。


タクシーで高速にのると、大渋滞につかまったから、始まる出だしは、未来を暗示させるものであったのだろうか。
タクシーの運転手の言葉も意味深だけれども、符牒のようなことばがあちらこちらとでてくるあたりは、精巧にまとめあげられた数式のような気持ちよさがある。
すべてのものがあとあと、きれいにまとまっていくのではないかと思わせる読み手の興奮を考えながらではのストーリー展開は、さすがだなと思う。
本をしたにおいての上からの感想は、こんなものだけれども、いざ、物語の中に入ると、そして、自分の経験を照らし合わせながらの気持ちよさといったら。
やはり、これは、この年代の人に強くおすすめしたい。
読む度合いの強さが違ってくるのではないか。
とかとか。
まあ、読書というものは、自分との対峙であったりするわけだけど、この本なんか、特にそう思える。
自分の半生をなぞっていく作業というようなね。
必ずしも同じではなくても、パラレルワールド的には、こういうこともあり得たかもという・・しかし、絶対あり得ないことではありますが。
闇に葬られた見えない部分という意味では。

それにしても、もっともっと、根が深い時代の世相も反映してるあたりは、読みながらもうなってしまう。

だらだらと書いていくときりがないが、とにかく、だらだらと何度読んでも、いいのかもしれない。

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