相島
ご近所なのに、一度も踏み入れてないなんて、罪なことだわ。
このたび、相島めぐりの行事に参加することができた。
ほんのそばに見える島なのに、歩いていけない。
島とはなんと不便なことよ。
船着き場から船に乗る。
たったの15分程度で着く。
乗り込もうとする私たちの横に救急車が到着。
えっと、私たち、ビョーキ持ちはいません。
と、船着き場を見ると、マイ漁船に横たわる屈強な中年男。
島には、救急施設がないのね。
それで、漁船でつれてこられて、救急車に運び込まれるみたい。
島の生活をかいま見たような気がした。
その出来事をあとに、船に乗る。
船は、揺れる。
横揺れ。縦揺れ。ななめ揺れ。
これぐらいたいした揺れじゃないとオモウ。
けど、上にいって、下に落ち込んだ瞬間のこれは、体中の水分が行き場を失って混乱した気持ち悪さ。
とりあえず、しゃべりつづけた口のおかげで、酔わずにすんだ。
船からおりると、暑い。
秋というのは、こんな暑かったか・・・。
肌がじりじりじりと焼けつく。
日傘をさしてなお、暑い。
初めての島。
平日なのに、釣り人だらけ。
みんな一様に長いさおにクーラーバック。お定まりの釣りキチスタイル。
その中で違和感めだつ中年軍団。もしくは、おばちゃん軍団。
島に詳しい案内人のあとをぞろぞろとついていく。
港のところに食堂がひとつ。購買店がひとつ。
ここをすぎると、トイレもない。ジュースの自動販売機もない。
だすものはだし、補給するものは、ここですべしとのご達し。
まず、港沿いを歩いていくと、昔の堤防のあとの石が連なる。
今は、埋め立てをして、小学校の運動場も広がったらしい。
めざとい私たちは、真珠の文字に目がひかれ、予定のない見学を責任者にお願いする。
ミキモトという会社が海のきれいさに目をつけて、養殖にとりくんでいるらしい。
とにかく、三年五年という長きに渡り、育つ真珠。
早い安いいいものという時代のニーズにあってるのかあってないのか。
それでも、きれいもの好きにはうれしい見学会である。
といっても、今回は、海につかってたこんぶだらけの中のあこや貝の姿を拝見しただけで・・・。ちと、物足りない・・。が。
そこをすぎて、坂をあがっていくと、海がひらけてた。
要は島をぐるりと歩いてるだけなんだけど。
なんだか、人の入らない道は、草ぼうぼうも人の背丈なんてもんじゃなく、やぶのようにしこっている。
ここがなんたらという由緒のある神社といわれても、整備されてない石の階段はすごいことになってる。
勇気ある、根性ものの、おばちゃんは、のぼっていったりしてたが。
お上品な私には、とてもムリムリ♪ん?
積み石古墳群というレッキとした歴史的発掘現場にも足をのばす。
けど、海岸沿いに広がる石だらけの景色に、ど・どこが・・・?
よくよく見ると、赤いくいに四角い穴があいていて、そこに死体をおいてたそうな。
かなり、すごい。
それが見えなくなるくらい遠くまでつづいてるそうだから。
昔の人は、何考えてたのか・・・・。
それをまた、きちんと、形にしてることも、ご苦労半面、えらいこっちゃ!
島の裏側まで歩いていくと、道から崖側に登り口があり、ぎょえーっという絶壁にいきつく。
穴観音といって、絶壁から、崖下におりていくと、観音様を祀ってあるらしい。
そこまでいけない人のために途中にほこらがある。
松の木や他の樹木が風で、横になびいている。
面白い。
ここに暮らすと、人間もびろーんと、体がゆがむとか。は、ないか。
とんびがかなり間近にせまってくる。
ここは、人間のほうが珍しいのかもしれん。
とにかく歩いた。
だって、車が通らないんだもん。
おまけに人も通らない。
すれちがう人もいない。
ひとりで、歩くとかなりこわい。
唯一、でかいカメラを抱えた自称鳥をとってますという二人連れに遭遇。
なんでも、野生のかわった鳥がいるとか。
見せてもらったけど、んー、あんまりわからんかった。
すずめのでかいやつというか・・。
波止場にもどると、ねこにゃんがいっぱい。
それも、毛並みがいい。
まっしろふわふわ。
黒いけど、目がくるり。
やたら、かわいい。
ほんとに、雑種?
というくらいの美猫そろい。
なんでも、人の数より、猫の数が多いらしい。
やろね。
釣り人がいるし。
えさには困らないし。
人なつこさは天下一品。
うにゃーんと、足にすりよってくる。
そんなこんなで、全島制覇。
7キロくらい歩いたらしいけど。
島って、この時代の忘れ物みたいに時間のとまった感じがする。
不思議だ。
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