1Q84 BOOK2(村上春樹)
時々、思う。本って、なんだろう。
自己完結の手段だろうか。
自分がいき得ない物語の中で、あるいは、脳内だけで、体験できる擬似。
デジャブにしても、体験からくる同意にしても、そこにあるのは、完璧な絵空事。
けれども、一度、その物語を通ってしまうと、あるいは、現実の世界でも、違う角度から考えるに、もうひとつの物語にすりかわってしまうこともあるかもしれない。
1Q84を読みながら、この人の形作る世界というのは、現実にかなり接近しているニアミス状態なのかもと。
あり得ないとあり得るの狭間にもしかしてといや違うがまぜこぜになり、微妙な潔さと、完璧な疑問も残る。
物語の中にずっとただよう心地よさというものは、この本独特のものだろう。
謎もあり、人の性格もあり、流れもあり。
月がふたつあるというのも、もしかして、世界が見方によっては、わかれてしまうの暗示かもと・・・。
ま、どちらにしても、おもしろい!実におもしろい。
これだから、村上春樹は、おもしろいといわれるのかもしれない。
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