鬼火の町(松本清張)
松本清張が時代ものを書いていたとは、お釈迦様でもしるめえ・・・。
てなわけで、読み始めてみると、なかなかのもの。
水死体が、ただの事故死ではなく、殺しだと言うことになり。
そして、実は、単なる殺しではなかった!
お役人もまたその上からの圧力に屈し、なんだか、話がだんだん大きくなる。
今の世でも権力を持つ人は、その権力にまかせて、とんでもないことをしがち。
その悪企みを糊塗するためには、下々のものは、亡くしかすべがない。
けれど、強いものにまかれないとどうなるか・・。
話のふくらみが面白く、どこまで、いくんだろうと思いながら、最後は、胸のすく展開かも。
いやはや、どうしてどうして。
松本清張、点と線ばかりが名作ではないことを知らしめる作品である。
ほかにも短編の江戸ものを2冊ほど、読んだが、どれもこれも、よくできている。
時代ものと言えば・・の中に入れたい松本清張の名前なのである。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- ガダラの豚(中島らも)(2012.07.21)
- 告白(湊かなえ)(2010.09.19)
- 名もなき毒(宮部みゆき)(2010.08.22)
- 1Q84 BOOK3(村上春樹)(2010.06.26)
- 暁英 贋説・鹿鳴館(北森鴻)(2010.06.11)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント