夏草冬濤(井上靖)
なんで、しろばんばの後編みたいなこれを読みたくなるのか、よくわからない。
どうしてか、読みたくなる。
純情な少年がものすごい田舎で、初めてのことに惹起していく様がなんとはなしに郷愁を誘うのだろう。
それも、この年齢だからこそ・・・なのか。
多感な年頃に友達や先生や、物事に感化を受けていく様に心惹かれる。
たいして、すごいことがあるわけでもないし、使い古された不良の定番や、怠堕なことをやってみたくなる時期がやはり、懐かしいのかもしれない。
三人の上級生、いわゆる不良といわれている彼らに洪作は、たちまち、心奪われる。
そんな洪作を仲間として受け入れる。
足の裏が真っ黒だったり、シャツがなくて、上着のしたは裸だったり。
親からもらった机を買うお金で、友達と無茶な旅行にいったり。
どんな場面でも、あるがままをそのまま受け入れている所!かな。
なんだか、形を重んじる今ではない素朴さを感じるからか。
オチがあるわけでも、なんでもないけど。
いわば、タイムマシンにのって、その時代で遊べる、そんな楽しさにひたれる。
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