一杯のかけそば
忙しい年末、聞くともなしに車のラジオに耳を傾けてた。
視聴者からのおたよりコーナーがあってた。
その方がこどものとき、おとうさんがいなくて、母親とお兄ちゃんだけの家庭だったそうだ。
とても、貧しくて、クリスマスケーキを買うこともできず、母親が働きにいってるあいだに、線路沿いにくず鉄を拾い集めて、お金にかえていた。
そして、みんなで、うどんを食べたいとうどんやに行くけれども、一杯分のかけそばも買えなかった。
うどんたまだったら買えると、うどん屋さんにいわれて、うどん玉求めて、また、歩き出した。
すると、おいしそうなラーメンのにおいが流れてきた。
むちゃくちゃ、ラーメンが食べたくなった。
においに我慢できなくなって、ラーメン食べたい、食べたいと言ったんだそうだ。
そしたら、母親は、やさしそうに、いいよ、と、ラーメン屋によることになった。
みんなで、ラーメン屋さんに入ったけど、一人分のお金しかない。
母親もお兄ちゃんもおなかいっぱいと言った。
幼いその人は、無我夢中で食べた。
食べ終わると、お客さんは誰もいなかった。
店主がもう、売れないから、替え玉ふたつ分あげるよと言った。
みんなで、食べた。
すると、ぎょうざも売れ残りがあるから、食べてくださいといわれた。
じゅうじゅうと焼いてくれた焼きたてだった。
ぎょうざも食べた。
ラーメン一杯分で親子三人、おなかいっぱいになった。
相当、昔の話だと思うけれど、うるうる。
前が曇りがちになりながら、駐車場にバックでいれようと、一度、前方斜めに車を走らせてた。
ぎょえーー、目の前に車のケツ。
前方駐車場から、バックしてくる車。
がちんこかい♪
って、うるうるした目元が一瞬でガビガビになった!
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