« 一杯のかけそば | トップページ | 雲仙 »

Z(梁石日)

やんそぎると入力して、一発変換できるって、すごい。
って、変なことに感心してる場合じゃない。
朝鮮という国の歴史的事実をふまえて、謎が進むこの物語は、スリルとサスペンスに満ちている。
在日朝鮮人の朴敬徳は、生まれ故郷の済州島に行ってみて、戸籍上、死んでいるのに驚く。
戸籍を取り戻すために従兄弟の朴大順に会いにゆくと、全く違う人間だった。
そして、その人間は殺される。
自分をとりまく糸が壮大に黒い糸にからまれていく。
Zとは何か。Y秘密組織とは?
裏で暗躍している秘密組織というのは、歴史上たくさんある。
この本でも、どこまでが虚構でということが難しいほど、真に迫っている。

今まで、朝鮮のあの38度線がなぜできたのかということの意味が正確に把握できていなかったのだけれども、これを読むとよくわかる。
あの金正日さんがなんで、あそこにいるのかも。
そして、朝鮮という国の不思議さ。それに、日本の敗戦時の有様など、鳥肌ものでもある。
その昔、嫌韓流という本を読んで、多いに韓国が嫌いになったものだけど、こうして、歴史的事実がわかってくると、致し方ないし、戦争で飲み込まれてたのは、日本も同じだということがわかってくる。

サスペンスを味わうのが本望だとは思うが、朝鮮という国を理解するのにも得難い一品だなあと思う。

|

« 一杯のかけそば | トップページ | 雲仙 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Z(梁石日):

« 一杯のかけそば | トップページ | 雲仙 »