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2010年1月

ロード&ゴー(日明恩)

「そして、警官は奔る」など、印象に深い。
救急車に携わる地味な人々の地味な話かと思いきや、やってくれますねえ。
救急車のっとり。
いずれ個性的な三人の乗務員と、犯人のかたわれの男。
その犯人の片割れ男は、家族を人質にとられた被害者かと思ってた。
実は、主犯だった。えーっ!

いろんな事情が、救急車が走り込むたびに、明らかになっていく。
登場人物はクロスする。
そのたびに、面白さは、いよいよ佳境に入っていく。
具体的に書くと面白さ半減しそうなので、書かないが、救急車の病院受け入れ拒否ということで、社会問題したことや、救急医療の問題点も浮き彫りにされている。

もしかして、お世話になる救急車。
そのための事前理解という観点からも見逃せない本である。
そのなかでも、一番、患者側も留意しておいた方がいいのは、病院である。
いざという時のために、看ていただける病院がある方は、命の確保ができてるのかもしれない。

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他人の血(井上ひさし)

あんまり、好きな作家さんじゃないので、読むことはなかったのですけど。
抱腹絶エッチ。
妄想エッチ全開、ここまでいくかという男の本能うづくご本でしょうか。
そこまでして、がんばるのは、なんでかいな?といつも、女性である私は、思うのですが、それが本能というものでしょう。
そこに山があるから、登る。
そこに女性がいるから、向かう。
まさしく、ねこもしゃくしもくっつきたがる、こりゃまさしく、本能。
本能がいみじくもいやらしくも哀しくもおかしくもある有様が思う存分楽しめる・・えっ、知らない方がよかった♪
という紳士淑女のあなた。
そこに眠ってる知らないあなたを感じるのも発見ですぞ。

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雲仙

実は、雲仙はまだ行ったことがなかった。
母とその兄弟たちとの旅行にひょんなことからお供することになった。
母の兄弟は全部で8人。
一人をのぞいて、大変仲がいい。
このたび、母の母が亡くなっての月命日の3日の日に、みんなで、雲仙に行くことになった。
私自体は、別に強いて参加することはないとは思ったものの、母の杖がわりに参加することにした。
というのも、先日、田舎に帰る折、田舎の最寄りの駅について、タクシーに乗ったときのこと。
自分の実家がわからずに、地理に不案内のタクシーの運転手さんとともに、ずっと、先まで行ってしまって、なおかつ、何度もそのあたりをうろうろしたそうな。
そんなわけで、行き帰りのご案内係と相成ったとさ。

目指すは、雲仙。
普賢岳。
なんでも、寝ている人の顔の形をしてるそうだ。
そういわれて見れば、そう、見えないこともない。
平成3年に火砕流被害があった当時の埋まった家の展示があった。
田舎の純和風の立派な家が屋根まで土に埋もれている。
水害も火事も怖いけれども、こんな形の災害もたまらん。
いわば、生き埋めにもなりかねないのだから。
その恐怖たるや、比じゃないだろう。
おばちゃんたちは、しょもないことが気に掛かる。
冷蔵庫の中身も一緒に埋もれてる?
洋服も?
金塊も?
この家の人は、ここに展示されてるって、どういう気持ちかね?
表札はなさそうだから、田中さんちかどうかわからないけどね。

ひとつ、観光すれば、なんだか、雲仙を全部みた気になる。
けれど、一番びっくりしたのはこれ。
道ばたに洋風の建物が見えてきて、なんだかあやしい蝋人形が表に飾ってあって、異様に目立つ。
あれ、何?あれ何?
どんどん近づいていく。
なんか、見たことあるもの?
と、目の前に
yes,we can
そう、あれはオバマ大統領!
だって、ここは小浜市。

田舎の景色が広がるなかに、ひときわ目立つものがある。
段々畑。それも、土手は、石垣。
どんなに小さくても、きれいに石垣が積んである。
西日があたって、オレンジ色に連なっていく段々畑は、畑というよりも、芸術のよう。
日本人って、やっぱり器用。
よくこんなとこまで、段々畑にするよね。

平地からどんどん山道をあがっていく。
そんなに寒いわけではないのに、山道に白いものが見えてくる。
なんだ、これ。
にわかに雪とは信じられずに、確認するが、雪しか思い浮かばない。

着いたところは、温泉街だった。
大きいのも小さいのもずらりと並ぶホテル。
そのなかでも、ひときわ立派なのが私たちが泊まるホテル。

入り口を入るや否や、目についたのは、エコバック。
これ売りもんかね?と、愛すべきおばちゃん。
さようでございますと、受付のねえちゃん。
1050円で、こんなに大きいものは、ないよね。と、おばさま。
売店に行かれましたら、まだ、たくさんございますと、受付嬢。
んじゃ・・・。
って、まだ、部屋にも行ってないし。

お部屋に案内されて、ベリーグッド。
眺めは抜群によろしい。
見渡す限りの海に夕日が落ちていく。
ご飯もいいけど、先にお風呂に行こう。
展望風呂も見晴らし抜群。
残念なるかな。日がおちて真っ黒け。
でも、バラ風呂にはびっくり。
しばし、女王様気分。

夕飯はご一行様用の個室。
お殿様御膳に何やら、たっぷりの料理。
食べたことなかったくわいやら、長崎名物。具雑煮に舌づつみうつ。

お部屋に帰って、まだまだ夜はながい。
ながい夜には、カラオケ。
みんなで、ホテルのカラオケルームへ。
暖房が入ってなかったお部屋でぶるぶる。
寒さ対策でどんどん歌う。
知らない演歌ばかりで、おじさまおばさまのとにかく声のでかいのに驚かされる。
私のかぼそい声では、とてもたちうちできん。
勝つつもりもないが。

楽しかった一日は終わり、就寝時間。
というよゐこの決まりは、さておいて。
うわさに四方山話は、女性の定番。得意中の得意。
とうとう、シンデレラも真っ青の一時をまわってしまった。

朝は、誰かの目覚ましで6時に叩き起こされた。
仕方なく、もうひとつのお風呂。地下の陶器風呂に向かう。
プールのようなだだっひろい風呂。
こりゃ、泳げるね。

翌日のメインイベントは、かき小屋。
生かきを炭火で焼いて食べる。
これもまた、生まれて初めて食べる。
かきがバチーンとはじけるたびに黄色い声でキャーキャーワーワー。
自分の年を考えろよと自分につっこみたい気分はさておいて。
かきの殻をあけるのも難しく、自然無口になる。
とにかく、炭火焼き。
おいしいよ。
けど、洋服は、よごれてもいいものじゃないと、灰かぶり姫とあいなる。

これで終わりかと思ったら、もひとつ、有名な所によった。
諫早湾干拓地。
見渡す限り、海ばかりの真ん中に一本道がある。
そこに水がじゃんじゃんでてる。
これが有名なその設備なんだろう。
海辺には、セガモが死ぬほどたくさんいる。
まるで、ありの大軍団のように、あちらこちらと、集団で移動中。
これをどうして、埋め立てしないといけないか?
え、埋め立て?干拓?どう違うの?
よくわからないけど、今のままで不都合がないなら、そのままにしておくほうがいいんじゃないの。
ましてや、どこぞのダム工事は、撤回されただのと頻繁にニュースになってる時節に何もいけいけゴーゴーする必要もないと思う。
きれいなものは、きれいなままにしておくのが、エコってもんじゃない。

皆さんと別れて、母と、タクシーにのって、家路にむかう。
もう少しで、うちという最寄りの電車の駅に着いたとたん、非情の雨がふりだす。
人生というのは、こんなもん・・・・。

今日は楽しかったとひとりごと。
Yes we canも埋もれた家もバラ風呂もそりゃー、驚いたりしたけど、一番、びっくりしたのは。
母の兄弟8人。
5人がAB型で、あとの皆さんは、B型。
A型の私にはとても考えられない奔放ぶり。
でも、同じ血が流れてるんだな。これが。

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