W−二つの夏(永島恵美)
本選ぶのに、いつもいい加減だけど、今回は、もっといい加減。
へへえ、福岡県出身か。
読んでみるか。
複雑な家庭なんて、それだけで、ドラマだけど、お決まりの青年期のぐれにも、不倫にもそこまでのドロドロ感は、ない。
中学生の不良化にも、ど、おってことない当たり前ニュアンスがただよう。
そのあたり、この作者、ただものじゃないな。
複雑なら、もっともっと、複雑になれ!
みたいなのりだったのか、係累があれやこれやで、複雑すぎる。
誰だって、環境は選べないし、親も選べないのは事実だけど、それでも、その中で生きてかなきゃいけないのが人生。
そんなことはわかりきってはいる。
けど、誰かを恨みたくなったり、あたりたくなったりするのも、人間だから、ある。
変に一生懸命生きてると、ドンデン返しは、つらい。
けど、こだわりなんて、そんなもの。
いつだって、人間、マッチ棒の先に奇妙にこだわって、ぶらさがってたりする。
自分の描いた結末の真反対のことって、起こりえないと思う。
しかし、起こらないことが起こるって、やっぱり、人生の妙。
平凡が服を着て歩いてると思ってても、先は、わからない。
そういう面白さが味わえる。
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