毎日が日曜日(城山三郎)
昭和で換算すると、今年は、昭和85年。
書かれたのが、54年であるから、約30年前である。
どうりで、テレックスだとか、異様になつかしいグッズが登場しているわけか。
この頃は、花形であった商社マン。
いまでは、花形もないし、商社マンなんてのも死語かもしれない。
サラリーマン金太郎が市民権を得ているくらいで、いやほんと、サラリーマンはつらいよねの世界なのである。
今みたいに携帯電話はあるわ、インターネットはあるわだったら、こんなに世界中とびまわらなくても、すむんじゃないかと思うけれども。
格別、すごいことがおこるわけじゃないけど。
息子がバイク事故にあって、大変なことになったり、単身赴任で家族の絆があやうくなったり、やはり、こういうのは、しっかり、現代でも通用すると思う。
ちょうど、退職して毎日が日曜日になった上司と浅からぬ縁ができた主人公の沖は、赴任先から東京にかえってきての最初の仕事で煮詰まってしまった。
そんなとき、暇を持て余していた笹上が手伝ってくれることになった。
このあたりもとても面白かったし、京都の芸者さんの当たり前感覚も人の色恋も金で勘定するというのも、ちょっとしたカルチャーショックだった。
昭和を楽しみたいなら、この本は、おすすめです。
名付けるとすれば、これ、昭和小説。
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