ガダラの豚(中島らも)
本の厚さが、4センチもあるとても長い話である。
宗教に超能力に呪術。あげくは、中年のはげででぶのおっちゃんがヒーロー!
壮大な物語の崇高な話かと思いきや、ぐっちゃぐっちゃのケセラセラ。
展開の展開のなさに思わず、これは、漫画だったのかと!
思ってしまう。
どちらにしろ、面白いのは大歓迎。
ストーリーの裏を読めば、時代の皮肉にも満ちているのも醍醐味だ。
最初の圧巻、宗教への誘いでは、外から分離して洗脳というのは、こういうことかと大納得。
言ってることは、ついついうなづいてしまうことばかり。
自分の心を解き放ち、空っぽになったところに洗脳を施すというのは、いかに簡単なことだろうか。
ことは、たぶん、宗教だけに及ばないだろう。
全ての人間関係であり得ることとも思う。
読めば読むほど面白い。
超能力は、ひところ、流行ったものだけど、スプーン曲げにして、透視にしても、もしかすると、こういう裏(種)があるのかと感心した。
今の今まで、テレビであってたユリゲラーを半信半疑ながら信用してた自分がいたせいで。
とにもかくにも、人間というものは、愚かなもんでもあるなあ。
それを救うのは、一体なんなんだろう?
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